令和7年度 日本薬剤師会 くすり教育研修会 参加報告
〔報告:学校薬剤師委員会 委員 新井 雄介〕
令和8年1月25日、「学校におけるくすり教育の現状と課題」を主テーマに、日本薬剤師会主催のくすり教育研修会がWeb形式で開催されました。
講演1では、厚生労働省より薬機法改正および指定濫用防止医薬品について解説がありました。近年、10~20代を中心に一般用医薬品の過量服薬による救急搬送が増加しており、依存症治療を受ける10代患者の主たる薬物が市販薬である割合が上昇している現状が示されました。改正薬機法では「指定濫用防止医薬品」が法律上に位置づけられ、18歳未満への販売時の確認強化や複数購入時の対応の法制化が行われます。対象成分としては、コデイン、ジヒドロコデイン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリン、ブロモバレリル尿素が挙げられており、令和8年5月にはデキストロメトルファン、ジフェンヒドラミンが追加指定される予定です。販売時には使用目的の確認や必要量を超える購入への対応など、薬剤師・登録販売者の適切な判断がこれまで以上に求められています。
講演2では、OTC乱用が身近な問題となっている現状を踏まえ、学校薬剤師としての関わり方が示されました。従来の非行防止中心の対策だけでは十分とはいえず、子どもを孤立させない視点や、被害を最小限に抑えることを重視するハームリダクションの考え方の重要性が強調されました。くすり教育は正しい知識の提供にとどまらず、相談につながる関係づくりの一端を担う取り組みであると感じました。
講演3では、がん教育やワクチンに関する学校現場での取り組みが紹介されました。科学的根拠に基づいた情報提供の重要性とともに、学校薬剤師の関与はまだ十分とはいえない現状も共有されました。標準治療やHPVワクチンについて適切に伝えることは、薬剤師の専門性を発揮できる分野であると考えます。
本研修を通じ、薬剤師は販売や調剤の場面にとどまらず、教育現場においてもゲートキーパーとしての役割を担っていることを改めて実感いたしました。今後も早期からの適正使用教育と継続的な啓発に取り組んでいく必要性を強く感じました。
