学校薬剤師等講習会報告

令和7年度学校薬剤師等講習会

報告者 加茂薬局 加茂 仁 先生(加須市薬剤師会)

①HPVワクチン接種の現状及び取り組みについて 埼玉県 保健医療部 感染症対策課感染症担当

HPVは性経験者の多くが生涯で一度は感染する。多くの感染者はウイルスが排除されるが一部はがんになる。HPVは子宮頸がんをはじめ,中咽頭がん、尖圭コンジローマなどの原因になる。日本では毎年約1万人が子宮頸がんと診断され約3000人が亡くなっている。尖圭コンジローマは約5700人罹患している。感染の予防と早期発見が重要である。平成25年6月から積極的勧奨の差し控えがあった。専門家の評価等により令和4年の4月から勧奨が再開された。キャッチアップを勧めている。国の審議会で定期的に安全性を継続して確認をしている。予防接種健康被害救済制度があり、医療費、障害年金等の給付が受けられる。
県公式SNSによる周知・ラジオ放送・包括連携協定企業による広報の他、各市町村の取り組み、学校、身近な医療機関での活動もあってかなり接種件数が増えている。

②HPVワクチンに関する情報提供について 埼玉県薬剤師会 学校薬剤師委員会 新井雄介委員

公費接種対象者である小学6年生から高校1年生について、養護教諭や保護者からの質問に答え積極的な情報提供を行うため学校薬剤師はHPVワクチンの知識が必要だ。薬剤師の情報提供は、職場や個人的に相談を受けたときを含め、治療だけでなくその人の心や考え方、生き方まで左右することがある。
不安を受け止め、厚生労働省資料を基にそのまま伝え、接種の判断は相手に委ね本人が納得して適切な判断ができるよう情報提供がポイント。

③性とHPVワクチンについて 埼玉医科大学病院 産婦人科 助教 高橋幸子先生

正しい知識が得られないために不利益を被る人がないようにとの思いから性教育のできる産婦人科医をめざした。HPVワクチンでいえば、接種しないという同じ結果であったとして、存在や知識を知らずに接種する機会が得られなかった人と、知識を得て接種しない選択をした人とでは人生がまるでちがう。正しい知識を得て自分で決めてほしい。接種の適齢期は12歳。12歳にどのように伝えたらよいのか。性教育が重要だが、日本の学校での性教育は心もとない。包括的性教育を日本に取り込めるとよい。
HPVワクチンのキャッチアップ事業は当時の女子大学生が活動された結果でもある。男性や適期を過ぎた女性もワクチン接種の意義はある。女子HPVワクチンキャッチアップ接種世代の男子からのワクチン署名が社会を動かすかもしれない。