★彩たまの薬用植物

〈1〉キンモクセイ(キンモクセイ科)
    学名:Osmanthus fragrans Lour.var.aurantiacus Makino
       和名:金木犀
    


[由来及び形態]
 中国原産で、日本に自生品はない。本州の関東以西の庭園に植えられる
常緑小高木。幹は太くよく分枝する。高さ3〜4メートルになる。樹皮は
ほとんど滑らかで淡灰褐色を呈する。葉は、堅くて光沢があり、長さ5〜
10センチほどの長楕円形をなし、幅は2〜3センチで先端はとがり縁に
は鈍いぎざぎざを備えるかまたはこれを欠く。9月下旬から10月にかけ
て、葉のつけねに淡オレンジ色の花がかたまって着く。花弁は4つに裂け
て十字状を呈し、先端は丸みを帯びており、特有の甘い香りがある。晩秋、
この植物が花を咲かすとあたり一面に芳ばしい香りが漂う。雌雄異株で
日本に入っているのは、雄株ばかりなため結実しない。同属のヒイラギを
台木にして接木で殖やす。
 東京では大気汚染の影響で近年開花しにくくなっていると言われている。

[薬用部分・採取]
 花
 秋、天候の良い日を選んで花を集める。
 小さい折りたたみ式の雨傘などを樹の下に逆さに置き、棒などで梢を叩
いて落とすとよい。それを陰干しにする。

[成分]
 花から、P-ハイドロキシフェネチルアルコール、トリアコンタン、
パルミチン酸、ステアリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、ウワオール、
β-シトステロールが分離されている。

[効用]
 胃炎、低血圧症、不眠症などに用いる。

[使用方法]
 乾燥した花30〜50gを35度の焼酎1.8リットルに入れ、3ヶ月ほど
冷暗所に置き、胃の調子が悪いとき、盃に一杯ほどを水か湯に薄めて飲む。
低血圧症、不眠には就寝前に飲む。

[名前の由来]
 和名は金色のモクセイで、中国名木犀の音読み。木犀は木の肌が動物の
サイ(犀)に似ているためといわれている。

[類似植物]
 モクセイ類には、キンモクセイ(丹桂)、ギンモクセイ(銀桂)、ウス
ギモクセイ(金桂)の3種が知られている。ギンモクセイ(モクセイ)
O.asiaticus Nakaiは、花が白色、葉が楕円形で普通実がならない。ウスギ
モクセイ O.fragrans Lour.は花が白黄色、果実は核果で楕円形である。
これら3種を総称してモクセイと呼ぶ。

 三島大社には、高さ15メートル、根回り3メートルというキンモクセイ
の巨木があり花期には、その芳香が4キロ四方にわたると伝えられている。

以上
文章:埼玉県薬剤師会雑誌303より転載
  (埼玉県薬剤師会薬用植物委員会作成)
写真:秩父ミューズパーク薬用植物園提供


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